A Fistful of Dollars(USA)
Fur eine Handvoll Dollar(West Germany)
Fistful of Dollars(UK)
For a Fistfull of Dollars(UK)




製作年/1964年
製作国/Italy Spain West Germany
監督/Sergio Leone(European prints)(as Bob Robertson)
Monte Hellman(new footage shot for American TV)(uncredited)
脚本/Ryuzo Kikushima(screenplay "Yojimbo")
Akira Kurosawa(screenplay "Yojimbo")
A. Bonzzoni(story)
Victor Andres Catena(story)(screenplay)
Sergio Leone(story)(screenplay)
Jaime Comas Gil(screenplay)(as Jaime Comas)
Fernando Di Leo(uncredited)
Clint Eastwood(uncredited)
Duccio Tessari(uncredited)
出演
Clint Eastwood
Marianne Koch
Gian Maria Volonte(as John Wells)
Wolfgang Lukschy(as W. Lukschy)
Sieghardt Rupp(as S. Rupp)
Joseph Egger(as Joe Edger)
Antonio Prieto
Jose Calvo
Margarita Lozano(as Margherita Lozano)
Daniel Martin
Benito Stefanelli(as Benny Reeves)
Mario Brega(as Richard Stuyvesant)
Aldo Sambrell(as Aldo Sambreli)
Raf Baldassarre(uncredited)
Luis Barboo(uncredited)
Frank Brana(uncredited)
Jose Canalejas(uncredited)
Juan Cortes(uncredited)
Antonio Molino Rojo(uncredited)
Jose Orjas(uncredited)
Nosher Powell(uncredited)
Jose Riesgo(uncredited)
Lorenzo Robledo(uncredited)
Enrico Maria Salerno(uncredited)
Fernando Sanchez Polack(uncredited)
Umberto Spadaro(uncredited)
Harry Dean Stanton(uncredited)
Antonio Vico(uncredited)
マカロニウエスタンといえば「荒野の用心棒」と言われるほど本作は最も有名な当ジャンルの代表的作品であり、最高峰とまで言われている傑作である。
クリント・イーストウッドを一躍、有名にしたことは勿論のこと、監督セルジオ・レオーネの才能を世に現し、エンニオ・モリコーネの音楽に誰もが痺れた人々の記憶に末永く残る名作となっている。
原作は黒澤明の「用心棒」なのだが、この作品に対して黒澤明と「用心棒」の製作関係者たちが盗作であると訴訟まで起こしていたことは有名ではあるが、盗作だとしてもこれだけ評判の高い作品になっているということは、「用心棒」及び黒澤作品が如何に優れているのかということを国際的に証明しているようなものではないだろうか。
しかしながら、黒澤明の「用心棒」はあくまでも黒澤明の作品であり、「荒野の用心棒」はあくまでもセルジオ・レオーネの作品ではないかと感じるものである。
物語の設定と展開はほとんど同一ではあるが、まるで全く同じというほどの完全盗作みたいなものではなく、各シーンでの出来事や登場人物の関係性など見せ方が明らかに異なっていると思えるところが多く、本作では確実にセルジオ・レオーネの世界観が確立されており、黒澤明のそれとは明確な相違を持っているのではないだろうか。
本作品でセルジオ・レオーネが確立したマカロニウエスタンに於ける世界観は、彼の後の同ジャンルの作品にも確実に受け継がれており、セルジオ・レオーネが描く西部劇の世界というものを一つの定番としてしまったように思える。
黒澤明も独自の世界観を確立した監督ではあるが、「用心棒」と「荒野の用心棒」での世界観は決して同じではない。
モノクロで見せる時代劇の中で、ならず者たちが睨み合う宿場に現れたどこの何者とも分からぬ侍が、最後には見事な太刀捌きで悪人を一人残らず切り倒すという物語は、全体的にシンプルでちょっと小奇麗な舞台が用意されているように思われた。
これに対して、埃っぽい荒野の真中にある薄汚い町で、ラテン系の脂ぎった髭の野朗共が拳銃の硝煙と土埃の中で睨み合い、どこの何者とも分からぬ謎の長身のガンマンが、最後には見事な早撃ちで悪人を一人残らず撃ち倒すという物語の舞台は、全体的に薄汚くて土臭い乾いた荒野であり、清潔感の微塵もない。
時代劇の中の世界という設定は同じだが、西洋と日本の違いが世界観を大きく変え、互いに違った面白さを演出しているように感じられる。
マカロニウエスタンと本家アメリカの西部劇も大きく相違してはいるが、この違いは世界観だけではなく作品や物語の意図、思想なども極めて異なっているのである。
イタリア、スペイン、西ドイツの合同で製作されている本作品は、主にイタリア人とスペイン人の出演者、スタッフで構成されており、欧米を中心に全世界での上映公開を企図して製作された作品なので、各国向けのタイトルが用意されている。
イタリア語版と英語版が標準的に流通してはいるが、イタリア語版が基本的なリリースとされている為、アメリカ人であるクリント・イーストウッドなどの台詞はイタリア語に吹き替えられている。
なかなか俳優として芽の出なかったクリント・イーストウッドが、本作に抜擢されたことは彼にとっての大きな転機となり、アメリカに戻ってからの彼の目覚しい活躍の歴史を切り開いたのである。
もしもクリント・イーストウッドが本作に出演していなかったとしたら、彼がマカロニウエスタンという世界に入っていなかったとしたら、今でもほとんど名も知られない俳優とか過去に役者をしていた男になっていたかもしれない。
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