2007年10月28日

「ストリート・オブ・ファイヤー」

Streets of Fire

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製作年/1984年
製作国/USA

監督/Walter Hill
脚本/Larry Gross Walter Hill
出演
Michael Pare
Diane Lane
Rick Moranis
Amy Madigan
Willem Dafoe
Deborah Van Valkenburgh
Richard Lawson
Rick Rossovich
Bill Paxton
Lee Ving
Stoney Jackson
Grand L. Bush
Robert Townsend
Elizabeth Daily
Mykelti Williamson(as Mykel T. Williamson)
Lynne Thigpen
Ed Begley Jr.
John Dennis Johnston
Olivia Brown
Peter Jason
Matthew Laurance
Vince Deadrick Jr.

ウォルター・ヒルの代表作とも言われ、1980年代のMTV全盛期に制作された長編ミュージックビデオクリップのようなアクション作品。
公開当時は、ちょっと不良っぽくてクールでカッコ良い、熱いロックンロール魂のようなところに魅力があり、日本でも人気娯楽作品の一つとして広く認知されていた。
エンターテインメント作品としてはとても出来の良い映画で、飽きさせない展開とスピード感、全編で効果的に流れる音楽、人気俳優の共演といった映画制作における娯楽要素を十分に兼ね備えており、冷静に観たとすればかなり内容が薄くて矛盾が多い物語という印象を受けると思うのだが、内容すらも余計なことは削ぎ落としたシンプルなものであるがこその良さが感じられる。
この作品は、音楽ライブ的な臨場感と盛り上がりを感じさせる雰囲気があるので、劇場で観ると最も良さが出るものではないだろうか。

公開された1984年の当時、本作品が20歳代前後の若者に人気があった理由は、男性の視点からすると最も若く美しいときのダイアン・レインがヒロインを演じていること、マイケル・パレが演じる主人公トム・コーディのクールでアメリカンなカッコ良さ、全編で聞かせるライ・クーダーの音楽のカッコ良さなどであろうか。
ダイアン・レインは今でも人気のある女優だが、女性のファンも多いので、本作のダイアン・レインを劇場で観た女性もたくさんいたことだと思う。
そして、今でこそ名も知れぬ俳優となってしまったマイケル・パレが最も輝いていた頃であり、彼の代表作といえば本作品となっているぐらいである。
また、作品中で一番、印象的な存在感を出していたのは、主人公の敵役のウィレム・デフォー。
リック・モラニスやエイミー・マディガンの存在も忘れられないものであり、ほとんど無名の頃のリック・ロソビッチやビル・パクストン、ミケルティ・ウィリアムソンも出演している。
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2007年10月08日

「荒野の用心棒」

Per un pugno di dollari

A Fistful of Dollars(USA)
Fur eine Handvoll Dollar(West Germany)
Fistful of Dollars(UK)
For a Fistfull of Dollars(UK)


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製作年/1964年
製作国/Italy Spain West Germany

監督/Sergio Leone(European prints)(as Bob Robertson)
Monte Hellman(new footage shot for American TV)(uncredited)
脚本/Ryuzo Kikushima(screenplay "Yojimbo")
Akira Kurosawa(screenplay "Yojimbo")
A. Bonzzoni(story)
Victor Andres Catena(story)(screenplay)
Sergio Leone(story)(screenplay)
Jaime Comas Gil(screenplay)(as Jaime Comas)
Fernando Di Leo(uncredited)
Clint Eastwood(uncredited)
Duccio Tessari(uncredited)
出演
Clint Eastwood
Marianne Koch
Gian Maria Volonte(as John Wells)
Wolfgang Lukschy(as W. Lukschy)
Sieghardt Rupp(as S. Rupp)
Joseph Egger(as Joe Edger)
Antonio Prieto
Jose Calvo
Margarita Lozano(as Margherita Lozano)
Daniel Martin
Benito Stefanelli(as Benny Reeves)
Mario Brega(as Richard Stuyvesant)
Aldo Sambrell(as Aldo Sambreli)
Raf Baldassarre(uncredited)
Luis Barboo(uncredited)
Frank Brana(uncredited)
Jose Canalejas(uncredited)
Juan Cortes(uncredited)
Antonio Molino Rojo(uncredited)
Jose Orjas(uncredited)
Nosher Powell(uncredited)
Jose Riesgo(uncredited)
Lorenzo Robledo(uncredited)
Enrico Maria Salerno(uncredited)
Fernando Sanchez Polack(uncredited)
Umberto Spadaro(uncredited)
Harry Dean Stanton(uncredited)
Antonio Vico(uncredited)

マカロニウエスタンといえば「荒野の用心棒」と言われるほど本作は最も有名な当ジャンルの代表的作品であり、最高峰とまで言われている傑作である。
クリント・イーストウッドを一躍、有名にしたことは勿論のこと、監督セルジオ・レオーネの才能を世に現し、エンニオ・モリコーネの音楽に誰もが痺れた人々の記憶に末永く残る名作となっている。
原作は黒澤明の「用心棒」なのだが、この作品に対して黒澤明と「用心棒」の製作関係者たちが盗作であると訴訟まで起こしていたことは有名ではあるが、盗作だとしてもこれだけ評判の高い作品になっているということは、「用心棒」及び黒澤作品が如何に優れているのかということを国際的に証明しているようなものではないだろうか。
しかしながら、黒澤明の「用心棒」はあくまでも黒澤明の作品であり、「荒野の用心棒」はあくまでもセルジオ・レオーネの作品ではないかと感じるものである。
物語の設定と展開はほとんど同一ではあるが、まるで全く同じというほどの完全盗作みたいなものではなく、各シーンでの出来事や登場人物の関係性など見せ方が明らかに異なっていると思えるところが多く、本作では確実にセルジオ・レオーネの世界観が確立されており、黒澤明のそれとは明確な相違を持っているのではないだろうか。
本作品でセルジオ・レオーネが確立したマカロニウエスタンに於ける世界観は、彼の後の同ジャンルの作品にも確実に受け継がれており、セルジオ・レオーネが描く西部劇の世界というものを一つの定番としてしまったように思える。
黒澤明も独自の世界観を確立した監督ではあるが、「用心棒」と「荒野の用心棒」での世界観は決して同じではない。
モノクロで見せる時代劇の中で、ならず者たちが睨み合う宿場に現れたどこの何者とも分からぬ侍が、最後には見事な太刀捌きで悪人を一人残らず切り倒すという物語は、全体的にシンプルでちょっと小奇麗な舞台が用意されているように思われた。
これに対して、埃っぽい荒野の真中にある薄汚い町で、ラテン系の脂ぎった髭の野朗共が拳銃の硝煙と土埃の中で睨み合い、どこの何者とも分からぬ謎の長身のガンマンが、最後には見事な早撃ちで悪人を一人残らず撃ち倒すという物語の舞台は、全体的に薄汚くて土臭い乾いた荒野であり、清潔感の微塵もない。
時代劇の中の世界という設定は同じだが、西洋と日本の違いが世界観を大きく変え、互いに違った面白さを演出しているように感じられる。
マカロニウエスタンと本家アメリカの西部劇も大きく相違してはいるが、この違いは世界観だけではなく作品や物語の意図、思想なども極めて異なっているのである。

イタリア、スペイン、西ドイツの合同で製作されている本作品は、主にイタリア人とスペイン人の出演者、スタッフで構成されており、欧米を中心に全世界での上映公開を企図して製作された作品なので、各国向けのタイトルが用意されている。
イタリア語版と英語版が標準的に流通してはいるが、イタリア語版が基本的なリリースとされている為、アメリカ人であるクリント・イーストウッドなどの台詞はイタリア語に吹き替えられている。
なかなか俳優として芽の出なかったクリント・イーストウッドが、本作に抜擢されたことは彼にとっての大きな転機となり、アメリカに戻ってからの彼の目覚しい活躍の歴史を切り開いたのである。
もしもクリント・イーストウッドが本作に出演していなかったとしたら、彼がマカロニウエスタンという世界に入っていなかったとしたら、今でもほとんど名も知られない俳優とか過去に役者をしていた男になっていたかもしれない。
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2007年09月28日

「メイド・イン・ヘブン」

Made in Heaven

製作年/1987年
製作国/USA

監督/Alan Rudolph
脚本/Bruce A. Evans Raynold Gideon
出演
Timothy Hutton
Kelly McGillis
Maureen Stapleton
Ann Wedgeworth
James Gammon
Mare Winningham
Don Murray
Tim Daly(as Timothy Daly)
David Rasche
Amanda Plummer
Willard E. Pugh(as Willard Pugh)
Vyto Ruginis
Neil Young
Tom Petty
Ric Ocasek
Marj Dusay
Robert Knepper(as Rob Knepper)
James Tolkan
Gailard Sartain
John Considine
Paul Sloan
Mark Isham
Elliott Street
Henry G. Sanders(as Henry Sanders)
Dirk Blocker
Sonya Maddox
Ellen Barkin(uncredited)
Kevin E. West(uncredited)
Debra Winger(uncredited)

1930〜1940年代にハリウッド映画の主に端役として俳優活動をし、1950年代以降は映画監督になったオスカー・ルドルフの息子であるアラン・ルドルフは、幼い頃から父親の仕事を傍で見ながら子役として父親の作品に出演したりしていた映画少年で、映画畑一筋に育ってきた監督である。
そんな彼の得意ジャンルは、主にラブ・ロマンスであり、娯楽性を重視したファンタジックなものや軽いタッチの作品も手掛けるが、ドラマ性とテーマ性がしっかりとしている作風に定評があり、秀作を作れる監督の一人と言われている。

本作品は、川に転落した自動車から子供を救おうとして溺死した青年が、死後に天国で出会った女性と恋に落ち、地上に生まれ戻ることになった彼女を追ってある条件の下に別人として生まれ変わり、恋人と再会しようとするかなりファンタジーなラブ・ロマンス。
この一直線にファンタジーな設定を無抵抗に受け入れて鑑賞することができれば面白いのかもしれないが、映画ならではのリアリティーなどを求めるとすれば、観るに耐えない人もいるかもしれない。

主演は、1980年代に清純派男優というイメージの強かったティモシー・ハットン。
本作が製作された前年に「トップガン」でトム・クルーズの相手役となる女性教官を演じて注目されていたケリー・マクギリスが、主人公の恋人役で出演している。
他に若き頃のアマンダ・プラマーやメア・ウィニンガム、故モーリーン・ステイプルトンに渋い爺のジェームズ・ギャモンなどが共演し、非クレジットでエレン・バーキンとデブラ・ウィンガーも出演している。
そして、アメリカを代表するミュージシャンの一人であるニール・ヤングとトム・ペティが顔を出しているのには驚きである。
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「最後の戦い」

Le Dernier combat

The Final Combat
The Last Battle
The Last Combat(UK)


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製作年/1983年
製作国/France

監督/Luc Besson
脚本/Luc Besson Pierre Jolivet
出演
Pierre Jolivet
Jean Bouise
Fritz Wepper
Jean Reno
Christiane Kruger
Maurice Lamy

最近は専ら若手ディレクターの支援、育成を兼ねてプロデューサーとしての活躍が目立つリュック・ベッソンだが、本作品はその世界的な地位を築いた彼の第一歩である監督デビュー作。
当時24歳という若さが滲み出ているような自主製作映画の香りがするモノクロ作品だが、ややブラックな調子と台詞が一切無いという設定から、近未来を舞台にした1980年代の作品に多く見られる特有の希望の薄いサバサバした世界観を奥が深いようなそうでないような感じに作り上げていると思う。
一見、奇抜なアイデアかと思われるようなシーンもあるが、作品自体に大きなインパクトを与えているようではない。
テーマはよく分からないが、後の「グラン・ブルー」や「フィフス・エレメント」に通じるものが何かあるようにも思える。
決してエンターテインメント作品ではなく、物語もやや曖昧なので大ヒットしたリュック・ベッソン作品とは比較し難いだろう。
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2007年09月26日

「ラストプラトーン」

Angel Hill: l'ultima missione

Last Platoon(USA)
Bye Bye Vietnam(Hungary West Germany/video title)
Angel Hill(Italy/alternative title)


製作年/1988年
製作国/Italy USA

監督/Ignazio Dolce(as Paul D. Robinson)
脚本/Tito Carpi
出演
Richard Hatch
Vassili Karis
David Light
Milene Thy-Sanh
Anthony Sawyer
Mike Monty
Donald Pleasence

イタリアとアメリカの合作によるやや稀なB級アクション作品で、日本では劇場未公開のビデオ発売のみであり、過去に地上波テレビで放映されたことはあるが、今となってはビデオも入手困難だと思うのでCS放送などで放映してくれることがない限り、もう観ることもほとんど不可能だと思われる。
かなりマイナーな作品だけに話題にされるどころか映画関係の書籍やWebサイトなどで批評されていることも極めて少なく、この映画の詳細は不明な点が多い。
しかしながら、1980年代後半から1990年代にかけて本作品に共通の監督やスタッフ、出演者による同様のアクションものが幾つか製作されているので、イタリア製作関連のアクション映画を量産する謎の時期があったようである。
その多くの作品はソフト化された状態としても日本には輸入されていないので、本作品のようにビデオ発売されているだけでも貴重なことなのかもしれない。
このような作品の大半は、製作した本国を始めとしてアメリカやヨーロッパ各国でも製作から10〜20年前後の時を経た現在に至っては、ビデオ、DVD等のソフト化をしていないことが多く、今では鑑賞が極めて困難な作品類となっているようである。

内容をあんまりよく憶えてはいないので簡単にまとめると、凄腕の軍人(だったと思われる)がベトナムに何かの作戦で乗り込み、ベトコンを相手に大暴れをするといったようなもの(だったと思われる)。
この手の作品によくある簡素で内容があまりない物語で、大した展開もドラマ性も派手なアクションもなかったと思う。
本作のようなベトナムを舞台にした戦争アクション作品の多くは、やはりシルべスター・スタローン主演の大ヒット映画「ランボー」シリーズの第二弾である「ランボー/怒りの脱出」をベースとしているのだろうか。

主演は、1970年代後半に放送されて大人気TVシリーズとなった「宇宙空母ギャラクティカ」の主役として知られるリチャード・ハッチである。
また、大作から本作品のようなマイナーなものまであらゆる映画に多数、出演をしてきたイギリスの名優ドナルド・プレゼンスも出演している。
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2007年09月21日

「ガープの世界」

The World According to Garp

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製作年/1982年
製作国/USA

監督/George Roy Hill
脚本/John Irving(novel) Steve Tesich
出演
Robin Williams
Mary Beth Hurt
Glenn Close
John Lithgow
Hume Cronyn
Jessica Tandy
Swoosie Kurtz
James McCall
Peter Michael Goetz
George Ede
Mark Soper
Warren Berlinger
Susan Browning
Brandon Maggart
Amanda Plummer
Jean De Baer(as Jeanne De Baer)
Ron Frazier
Katherine Borowitz
Isabell O'Connor(as Isabell Monk)
Kate McGregor-Stewart
Matthew Cowles
Eve Gordon
Harris Laskaway(as Harris Laskawy)

ジョン・アービングの有名な小説を奇才ジョージ・ロイ・ヒルが映画化した作品。
本作品は、こういうジャンルでこういうテーマを描いた作品であると定義することは極めて困難なものであり、観る人の価値観や思想によって各人がこの映画のテーマを想起するような作りになっていると思える。
従って人によりけりな作品ではあるが、独特の人生観と人間ドラマを持った秀作として全体的な評価は高い。
作品を観たある者はとても感動し、考えさせられる一方で、ある者は全く理解できず、退屈するという両極端なことが起こりやすいのではないだろうか。
主人公のガープという一人の男性の成長を通して、彼に関わる奇妙な人々の人間模様と彼の母親の愛を中心に人生の中で死というものが如何に身近な存在であり、如何に避けようのない現実であり、如何に突然なものなのかを描いているようにも感じられる。
それは、この物語の唐突であまりにも呆気ないラストが象徴していることだろう。

主人公のガープを演じたのは、この手の役にはよく起用される印象のあるロビン・ウィリアムスである。
もう20年以上前の作品ではあるが、ロビン・ウィリアムスは今とそんなに変わらない印象があり、彼が若々しいというよりは昔から老け顔だったと思える(当時31歳)。
そして、かなり強引な性交によりガープを生んだ母親の役をグレン・クロースが演じ、彼女の女優としての稀な才能を感じる演技を見せてくれる。
また、ジェシカ・タンディとヒューム・クローニン夫婦の共演など出演陣も魅力的な俳優が多いが、中でもズバ抜けて印象的な存在であったのが、性転換した元フットボール選手の役として登場していたジョン・リスゴーである。
面長で禿げ上がった大きな額の目立つ大男であり、非常に個性の強いキャラクターを演じてどんな映画でも存在感のあるジョン・リスゴーは、舞台でも活躍している実力派なのだが、最近は話題になるような映画出演がほとんどないので残念である。
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2007年09月16日

「フィラデルフィア」

Philadelphia

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製作年/1993年
製作国/USA

監督/Jonathan Demme
脚本/Ron Nyswaner(written by)
出演
Tom Hanks
Denzel Washington
Roberta Maxwell
Ron Vawter
Anna Deavere Smith
Stephanie Roth Haberle
Joanne Woodward
Jason Robards
Robert Ridgely
Chandra Wilson
David Drake
Antonio Banderas
Paul Lazar
Bradley Whitford
Joey Perillo
Tracey Walter
Julius Erving
Ann Dowd
John Bedford Lloyd
Adam LeFevre
Daniel von Bargen
Harry Northup
Mary Steenburgen
Obba Babatunde
Charles Napier
Roger Corman
Kathryn Witt
Andre B. Blake
Gene Borkan
Tony Devon
Jaime Gomez

トム・ハンクスがHIVに感染した同性愛者を体を張って熱演し、今やハリウッド大代表レベルのオスカー男優としての地位を築く第一歩となった作品であり、非常に際どいテーマを扱った奥の深い作品である。
アメリカでは同性愛者はとても多く、それによりHIVに感染してエイズ患者となっている人がたくさんいる中で、それに対する差別、偏見も激しい。
同性愛に対する偏見、HIV感染に対する偏見は個々であり一つでもある。
そんな複雑な問題を正面から捉え、一本の映画として作り上げた監督は、本作の前に「羊たちの沈黙」を手掛けたジョナサン・デミである。
そのジョナサン・デミこそ、標準的なエンターテインメント作品を作りつつも現代アメリカ社会の問題を浮き彫りにしようとするような映画を精力的に手掛ける監督の一人ではないかと思う。
しかし、あくまでもハリウッド映画というアメリカ的娯楽文化を基礎とした見方、価値観の一定の方向性は否めないとも感じられる。
そういった面で、昔からハリウッド映画が持つある種の限界があるのだとよく言われてはいるが、この20年ぐらいの間で少しづつでも変わってきているのではないだろうか。
そうでなければ、本作品のような映画もなかなか作れるはずはなく、ましてやアカデミー賞を得ることもできないであろう。
「フィラデルフィア」のオスカー成績は、主演男優賞をトム・ハンクスが受賞し、ブルース・スプリングスティーンとニール・ヤングが主題歌賞を受賞、脚本賞とメイクアップ賞をそれぞれノミネートされている。

トム・ハンクスが窶れながら死んでいくエイズ患者を見事に演じて作品に最大の貢献をしたことは言うまでもないが、共演のデンゼル・ワシントンやジェーソン・ロバーツ、メアリー・スティーンバーゲンなどの演技もよく映えていたと思う。
それから忘れられない男が一人、駆け出しの頃の若々しいアントニオ・バンデラスがトム・ハンクス演じる主人公の恋人として登場しており、ラテン系アクション男優としてのキャラクターが定着してしまった今にしてみれば、かなり新鮮な役どころである。
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2007年09月15日

「OK牧場の決斗」

Gunfight at the O.K. Corral

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製作年/1957年
製作国/USA

監督/John Sturges
脚本/George Scullin Leon Uris
出演
Burt Lancaster
Kirk Douglas
Rhonda Fleming
Jo Van Fleet
John Ireland
Lyle Bettger
Frank Faylen
Earl Holliman
Ted de Corsia
Dennis Hopper
Whit Bissell
George Mathews
John Hudson
DeForest Kelley
Martin Milner
Kenneth Tobey
Lee Van Cleef
Joan Camden
Olive Carey
Brian G. Hutton(as Brian Hutton)
Nelson Leigh
Jack Elam
Dorothy Abbott(uncredited)
William Bailey(uncredited)
Franklyn Farnum(uncredited)
Joseph Forte(uncredited)
Frank Hagney(uncredited)
Len Hendry(uncredited)
Charles Herbert(uncredited)
Anthony Jochim(uncredited)
Kenner G. Kemp(uncredited)
Ethan Laidlaw(uncredited)
Gregg Martell(uncredited)
John Maxwell(uncredited)
Dennis Moore(uncredited)
Lee Roberts(uncredited)
Bing Russell(uncredited)
Mickey Simpson(uncredited)
Glenn Strange(uncredited)
Henry Wills(uncredited)

西部劇の不朽の名作の一つとも言える娯楽傑作。
これまでに無数の映画が作られてきたアメリカ史上に名高い19世紀の保安官ワイアット・アープの活躍を描いた作品の一つであり、彼の最大の功績である輝かしい戦いの舞台として有名なトゥームストーンの町はOK牧場でのクラントン一家との決闘をクライマックスとしている。
トゥームストーンで保安官をしていた兄のバージルから救援を依頼されたワイアット・アープは、フォートグリフィンの町で町民からリンチに遭いかけているところを救い出して以来、固い友情で結ばれていた凄腕のガンマンで賭博師のドク・ホリデイと共に仲間を集めてトゥームストーンへ向かう(本作では、他作品でよく描かれている肺病を患っていながら酒に溺れていたドク・ホリデイの描写があんまりない)。
クラントン一家との対立が表面化していたトゥームストーンの町は、今や一触即発の状態であった。
ついにワイアット・アープとその兄弟、仲間たちは、クラントン一家との直接対決をすることになる。
舞台はOK牧場、アープ兄弟もクラントン一家も共に存亡を懸けた激しい戦いが始まる。
武装したアープ兄弟たちがOK牧場に向かうとき、あの名曲のフランキー・レインが歌うテーマソングが流れ、物語のクライマックスを相乗的に演出する。
西部劇の醍醐味である荒野での決闘、埃塗れの激しい銃撃戦が始まり、荒涼とした黄色い大地と透き通るような青い空に銃声が鳴り響く。

ジョン・スタージェスの作品は、物語の深みやドラマ性にやや欠けているところがあるものの、徹底した娯楽性と非常に男臭い世界観が実に映画らしい映画としての完成度を持っていると思う。
そういう意味では、多少の曖昧さを持ちながらもサクっと展開するストーリーに娯楽映画の本質的なスピード感を保ち、分かりやすく楽しめるアクションシーンに重点を置いて、登場人物のキャラクターや人間ドラマ、時代背景、物語の舞台といった様々なデコレーションを適度に付けることで、誰にでも楽しめる骨太のエンターテインメント作品に作り上げているのではないだろうか。
本作品は、ジョン・スタージェスの初期の方の作品にして娯楽アクション西部劇の真髄のようなものであり、後に彼は自分の映画性を正に表しているといえる有名な作品を数多く手掛けているが、中でも当時の世界中の人々が楽しんだ不朽の名作として彼の代表作として知られている「荒野の七人」と「大脱走」も原点は、本作品などにあるのだろう。

ワイアット・アープを演じたバート・ランカスターとドク・ホリデイに扮したカーク・ダグラスは、当時の代表的なハリウッドスターであり、共に名コンビとして幾つかの作品で共演している。
バート・ランカスターは10年以上前に亡くなっているが、カーク・ダグラスは90歳を過ぎてもまだ元気に暮らしているようだ。
彼の長男は今や世界的に有名になった俳優のマイケル・ダグラスであり、前妻と後妻の間に生まれた他の兄弟3人も皆、ハリウッド映画関係の要職に就いているらしい。

本作品の出演者の中には、若き頃のデニス・ホッパーがクラントン一家の一人として登場していたり、マカロニウエスタンでよく知られている激渋で極めて印象的な風貌のリー・バン・クリーフの姿もある。
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2007年09月12日

「セブン」

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製作年/1995年
製作国/USA

監督/David Fincher
脚本/Andrew Kevin Walker(written by)
出演
Brad Pitt
Morgan Freeman
Gwyneth Paltrow
R. Lee Ermey
Andrew Kevin Walker(as Andy Walker)
Daniel Zacapa
John Cassini
Peter Crombie
Reg E. Cathey
Endre Hules
Hawthorne James
Richard Roundtree
Dominique Jennings
Allan Kolman
Gene Borkan
Alfonso Freeman
John C. McGinley
Bob Stephenson(as Robert J. Stephenson)
Richard Portnow
Mark Boone Junior
Lennie Loftin
Emily Wagner
Michael Massee
David Correia
Leland Orser
Shannon Wilcox
Richard Schiff
Charles A. Tamburro
Richmond Arquette
Kevin Spacey
Charles S. Dutton(uncredited)

鑑賞者の大半が共通して感じる後味の悪いラストというところが有名になってしまった映画ではあるが、全体的に完成度の高い作品として日本でも大ヒットしたものである。
センスの良い映像美、凝った撮影と編集で斬新な目新しい作品を生み出すデイビッド・フィンチャーならではの作品であり、物語と映像のバランスが適当で、出演者の演技も上々という高評価を得ているところから、彼の監督として2本目の作品にして代表作と言えるだろう。
デイビッド・フィンチャーは、過去にILM(「スター・ウォーズ」等のジョージ・ルーカス作品を中心としたCGなどの制作会社)に勤めていた経歴があり、処女作の「エイリアン3」を監督するまでにCMやミュージックビデオクリップなどの演出をしていたので、アーティスティックな映像を作ることには長けている人物だと思われる。
従って、商業映画界一筋で叩き上げの職業的な監督よりも映像の美を追求している感じがあり、より現代的で新しいタイプの監督ではないのだろうか。
彼の映画監督デビューから10年以上が経った今でこそ、映像美に拘って斬新な手法を挑む監督はたくさんいるが、「セブン」や「ファイト・クラブ」の衝撃に続いた作品が多かったのは事実であろう。
今はもう目新しい感じはしなくなった本作品が、公開当時は非常に衝撃的なものであると評判になっていたのだから、彼の斬新な演出手法がどれだけ後の映画界に影響を与えていたかが分かる。

ストーリーは、キリスト教の七つの大罪をモチーフにした猟奇的な連続殺人事件を捜査する二人の刑事が、犯人の描くシナリオ通りに動かされ翻弄されながらも謎を解き、事件の真相に迫ろうとするサイコ・サスペンス。
しかしながら、最後は犯人を追い詰めたものの彼の思惑通りの展開となり、後味悪しと誰もが言う衝撃的な結末を迎える。
この展開こそが本作品の最大の売りであり山場ではあるのだろうが、一方では刑事ドラマとしてもサスペンスドラマとしてももの足りなさは否めないと思う。
サイコスリラーというジャンルに当て嵌まるのかどうか分からないが、サイコ性が強いのでサスペンスというよりはスリラーなのかもしれない。
この手の作品は、ジャンルの分類がとても難しいのである。

主演のブラッド・ピットは、事件の真相をどうやっても掴みたい熱心な若手刑事に扮し、この作品のテーマとなる部分を表すような役柄の重要な人物を見事に演じていた。
名優モーガン・フリーマンがブラッド・ピット扮する若手刑事をサポートする引退の近いベテラン刑事を演じ、やはり味のある落ち着いた渋い黒人となって事件の真相、犯人の目的を逸早く察していた。
そして、ハンニバル・レクターの世界に存在しそうな頭の良い猟奇殺人犯を演じたのは、当時はまだあんまり知られてはいなかったケビン・スペイシーである。
悲惨な最期を遂げる主人公の妻をグウィネス・パルトローが演じ、R・リー・アーメイやジョン・C・マッギンリー、リチャード・ラウンドトリーなど手堅い役者が脇を固めているものの、本作品は主演のブラッド・ピットとモーガン・フリーマン以外、ほとんど目立つことはない。
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2007年09月05日

「私がウォシャウスキー」

V.I. Warshawski

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製作年/1991年
製作国/USA

監督/Jeff Kanew
脚本/Sara Paretsky('V.I. Warshawski' novels)
Edward Taylor(screen story)(screenplay)
David Aaron Cohen(screenplay)
Nick Thiel(screenplay)
出演
Kathleen Turner
Jay O. Sanders
Charles Durning
Angela Goethals
Nancy Paul
Frederick Coffin
Charles McCaughan
Stephen Meadows
Wayne Knight
Anne Pitoniak
Stephen Root
Robert Clotworthy
Tom Allard
Mike Hagerty(as Michael G. Hagerty)
Lee Arenberg
Mike Bacarella
John Beasley
Aaron Seville
John Fujioka

サラ・パレツキーの人気小説を映画化した作品で、V・I・ウォシャウスキーという女性探偵の活躍を描いている。
内容は、シカゴを舞台に利権争いを巡る事件を探偵ウォシャウスキーが、女一人の力でどうにかしようという物語なのだが、原作小説シリーズの人気の理由は、主人公の女性が果敢に事件に立ち向かっていくタフな生き様であり、そのタフな女性を演じたキャスリーン・ターナーの演技には定評があった。

残念ながら、ドラマとしての盛り上がりやサスペンス性にやや欠ける部分が多く、全体的にはそれほど印象に残らない作品なのだが、ジェイ・O・サンダースやチャールズ・ダーニング、アンジェラ・ゴートハルスなど味のある共演者、脇役を劇中で活かしきれておらず、演出者の力量が足りなかったと十分に思える。
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